ヴィクトリア女王が統治していた1837年〜1901年。
この時代は産業革命によりイギリス経済が成熟し、イギリス帝国の絶頂期とみなされています。
この時代に作られた物は装飾的なデザインが特徴でヴィクトリアンと呼ばれ、
アンティーク的価値が高いことでも知られおります。
その後ヴィクトリア期の流れを汲む形で
19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパで生まれた
アール・ヌーヴォー様式。
"新しい芸術"を意味するこの時代の物は
植物や花など自然界からインスピレーションを得、
曲線を多用したデザインが特徴です。
第一次世界大戦が勃発すると装飾的でコストのかかるアール・ヌーヴォーは
世紀末の退廃的なデザインとみなされ、衰退していくことになった。
アール・ヌーヴォーが衰退した後、アール・デコというムーブメントが流行。
英語で言うとアートデコレーション、装飾芸術を意味する
このムーブメントはヨーロッパだけでなく、アメリカ(ニューヨーク)にも飛び火することになる。
幾何学的でモダンなデザインが特徴です。
アール・デコ期に作られた物であっても
アール・ヌーヴォーの有機的なデザインが入り混じった過渡期ならではの
物に出会うこともあります。
さて、ここからは私の本業、ファッションの話。
アール・デコの流行はファッション界にも波及した。
コルセットでウエストを締め上げ、
強制的なS字シルエットで女性を縛り付けていたヌーヴォー期のスタイル。
それを破壊したのは
一人のフランス人デザイナー
"ポール・ポワレ"
1908年に彼が考案したコルセット不要のドレスは
多くの女性を活動的にし、ファッション近代化のパイオニアとして名をはせることになる。
同年代のフランスではシャネルがコレクションを発表し、
新しい価値観の革新的ファッションが続々と生み出された。
ファションブランドが香水をプロデュースするのは今や当たり前ですが、
ファッションと香水を結びつけたのはポワレが先駆け。
ちなみにポワレの服は最も安い物でも
当時のウェイトレスの給料2年分だったそうです........。
高杉ワロター
しかしながら繁栄の裏には
いつの時代も影がつきまとう。
そう、ポワレの時代は永く続きませんでした。
ココシャネルがジャージ素材のドレスを発表し、
よりリアルクローズに寄せた洋服が指示され、徐々にポワレの優雅で派手なデザインは
時代遅れの産物になっていくことになる。
1929年に彼はメゾンを畳むことになり、
その15年後の1944年、パリで65年の人生に終わりを告げる。
デカダンスそのものとも言える彼の生涯。
そして
彼の死去から74年経った2018年。
ポールポワレの亡霊がギニョールに憑依することになる。
POIRET COAT is arrived.
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